★研磨♀の彼氏×クロ♀の性描写があります
★研磨♀×クロ♀です
申し訳ありませんが苦手に思われる方は閲覧をご遠慮ください。











太腿が鉛みたいに重たくて、下腹部はじんじんと熱を持ってだるい。喉はガラガラのくせに、汗は身体中にじっとりとまとわりついている。

黒尾はしかし、それでも満足に微笑んでかたわらに目を遣った。横たわるベッドのすぐそばでは大好きな研磨がいつものように椅子に座ってスマホをいじり、研磨の好きな彼氏が決まりわるげに制服のズボンを履いている。

ひと月ほど前から研磨と付き合い始めたクラスメイトの男で研磨にとっては初めての恋人、そうして黒尾にとっては初めての相手である。

ついさっきこの男に抱かれて処女は失った。研磨がしてあげてと言うので言われるまま脚を開いた。

研磨は前にしようとしたら他人に触られるのがどうしても気持ち悪くてベッドの上でもどしてしまったのだそうだ。

「だからクロがやって」

他の誰かが聞けばどうかしてると言うにちがいない傲慢な言葉だけれど黒尾には嬉しかった。大好きな幼馴染の研磨に男ができたときは悲しいのと妬ましいのとでどうかなってしまいそうだったから、その男と研磨が寝ないとわかったら自分がどうなろうとかまわなかったのだ。

そんな黒尾とちがって彼氏のほうは戸惑ったようすだったが、黒尾がブラウスをひらいてゆるやかなCの曲線を見せれば十代の少年はゴクリと飲み込んでかんたんにその身体に没頭した。

研磨のベッドで、研磨の恋人とセックスした。研磨はやっぱり椅子に座ってスマホをいじって、時折ふと思い出したようにこっちを見てた。つまらなそうな視線が剥き出しの肌を掠めるたびぞくぞくと気持ちよくて、体内に埋めこまれた男のものは気持ちわるかったけれど、研磨の役に立てたならよかったと黒尾は思った。

事後の気だるさにぼーっとしていると、やがて彼氏が帰るというので研磨もそれを見送って部屋を出て行った。重たい腰を持ち上げて、黒尾は散らばった制服を拾い集める。

めんどくさいけれどたぶんこの後ベッドの片づけをするのも自分だろう。研磨にやれって言うといやだとかめんどくさいとか言わないけどきっとすごくだるそうな顔をする。

そういう表情も好きだけれどクロありがとってたいした感謝も感じられない目で見上げてくる研磨のほうが黒尾は好きだ。だからさっさと身体を拭いて服を着る。

汚れたシーツを剥がしにかかっていると、研磨がひとりもどってきた。黒尾を一瞥すると、研磨はいいよと首を振る。

「? いいよって、なにが」
「シーツ、そのままで、いいから」
「でもおまえ、今日……うわっ!」

言いかけたところで肩を押され、ぐしゃぐしゃのシーツにあっさりと押し倒された。驚いて見上げると研磨は思い出したようにふらりと部屋の鍵をかけ、それからよいしょと黒尾のお腹の上に乗る。

クロ、しよ、と研磨は言った。
「しよって、なにを」
「さっきクロとあいつがしてたこと」
「なに言ってんだ、おまえ、出来ないっていうから俺が、」

したんじゃないのかよ、言い終える前ふにっとした感触にふさがれた。昔から何度もしていたが、研磨のほうからしてくるのはすこしめずらしい。

ちゅ、ちゅ、と角度を変えて何度か吸いつくと、やがて唇を離した研磨は口もとをぺろりとぬぐって自分のリボンに手をかける。

「……クロとなら、キス、できるよね」
「? ……おお、そうだな」
「あいつとは、無理だった」
「え、」
「してない。一回も。できなかったし、したくなかった」
「……!」

じわりと胸の内側、思わず喜ぶ気持ちは抑えきれなかった。てっきりそれくらいは奪われているものと思っていたのにと、目の前がクラクラするくらいに黒尾は嬉しい。幸せにクラクラしていると研磨の細い指は黒尾の手を持ち上げ、そうしてぺったりと平らなその胸に運ぶ。平たいけれどやわらかいその部分に黒尾の手を押しつけ、いやじゃない、と研磨はいう。

「クロに触られるのは、いやじゃ、ない」
「……研磨、」
「さっき、二人がしてるの見て、俺、……たぶん、あいつに嫉妬してたと思う。告白されたから、なんとなく付き合ってたけど、ーー俺、あいつじゃなくて、クロがいいんだと思う」
「……っ!」

気づくのが遅いんだよとか、なんとなくで付き合うんじゃないとか、言いたいことはたくさんあった。

けれどそのどれよりただただ研磨がいとおしくて、にくたらしくて、幸せで、黒尾は震える指でその小さな身体を抱き締める。研磨は気まずげに小さく身じろいで、それから黒尾のブラウスをきゅうっと握る。

瞳には静かだけれどどこか熱っぽい色があった。きっと研磨なりに黒尾のことを欲しがっているのだろう。研磨の要求には昔からなんだって、(それこそ自分の彼氏と寝て欲しいなんてお願いにも)応えてきたんだからそれくらいわかる。

幸せに唇をゆるめて、黒尾はのしかかる小さな身体にそっと手を伸ばした。






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息抜きになんとなく
若干お友だち向けになった気がしないでもない
(2014.0628)